資料館だより

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特別編 中種子町郷土誌16「学童疎開3」

 空襲が激しくなってくると郷土との連絡がとれない状況になり、「敵機種子島上空」という情報を聞いたり、「種子島玉砕」などのデマに惑わされたりもしました。
 そして昭和20年8月15日、日本国民にとっての「終戦の日」を迎えます。しかし、疎開児童は船便の見通しが立たず、すぐには帰島できませんでした。
 9月中旬頃には県からの指示が出ることになっていましたが、 それを待てず漁船で迎えに行った校区もありました。9月下旬になると種子島からの疎開児童は、懐かしい故郷へ順次帰島することができました。
 しかし、全員無事に故郷へ帰島できたわけではありませんでした。亡くなった児童のいる校区では、土葬にしていた児童を火葬して、遺骨を胸に抱いて帰島しました。
 また、疎開引き上げ以前から下痢のひどかった児童は、衰弱がひどく指宿沖の船中で力尽きてしまい、今まで苦難を克服してきたのに故郷の土を踏むことはできませんでした。
 中種子町疎開児童総数1715人、内5人死亡。懐かしい故郷に帰りたくて帰れなかった児童の悔しい思い、そして元気な体で故郷の親元に帰してあげられなかった引率者たちの思い・・・・。
 すべての人たちが戦争被害者だといえるのではないでしょうか。

 

月にいちばん近い島を満喫 初開催「ジロ・デ・種子島2018」

 「月にいちばん近い島」種子島を1周するロングランイベント『ジロ・デ・種子島2018』が初開催され、約200人の選手が参加しました。
 このサイクリング大会はタイムレースではなく、自分のペースで種子島一周(半周コースも有)する大会で、参加選手は、午前7時に西之表港をスタート(半周コースは午前7時半)し、浦田・現和・太陽の里公園・宇宙センター・島間港・龍星館を通過し、西之表港へ戻るコースで、アップダウンの少ないなだらかなコースを走りながら、美しい海やサトウキビ畑、日本最大のロケット発射場など、様々な風景を堪能しました。
 また、島内各所にはエイドステーション(飲み物などを提供する場所)も設けられたのですが、大会側が設置したエイドステーションだけでなく、地元の方のご自宅前や各公民館などでも選手を歓迎しようと種子島の特産品や、地元のお菓子など、おもてなしがされ、島民の温かさに心に残る初大会となりました。